温室効果ガス排出実態の分析委員会報告
2010年04月10日
「温室効果ガス排出実態の分析委員会」は日本環境学会の研究委員会の一つで、日本の温室効果ガス排出量について、国の既存統計、審議会報告データを分析し、新たな角度から実態把握を行うことを目的に設置されています。
2008年10月に第1回報告が、2010年4月に第2回報告が出されました。
下記のリンクよりPDFファイルをダウンロードできます。
第1報告書(2008年10月)
第2報告書(2010年4月)
1 レポート2009-本文(PDF)
2 レポート2009-図 (PDF)
3 レポート2009-表 (PDF)
以下に2010年4月の報告書より、「委員会の活動」と「設立趣意書」を掲載します。
日本環境学会委員会名「温室効果ガス排出実態の分析委員会」
ご挨拶
京都議定書で約束した温室効果ガスの削減について、2008年から第一約束期間がスターとしました。国が6%を削減する日標達成計画では、当初から予定されている16%分の京都メカニズム(国外からのクレジット取得)を含んでほぼ達成することになっていますが、まだまだ課題が山積みしているようです。また、これに続く期間の大きな目標が設定されりつつあります。国内の削減実態、産業界の自主行動計画の実態、など多岐に渡る情報か交錯しており、国全体の実態を掴むのはなかなか容易ではありません。
そこで、本委員会は、わが国の実態を「大雑把だけど的確」に把握するため、さまざまな公開データを分析して解り易く発信する日的で設立されました。今回は2回目の報告になりますか、これからも分析の対象となる項日や内容について議論を重ねていき、学会のホームベーンの場を借りて分析結果を発信していきます。
ご意見などがございましたら、ご遠慮なくお寄せいただければ幸いです。
日本環境学会・温室効果ガス排出実態分析委員会・委員長 小杉昌幸
委員会構成委員〔あいうえお順)
上園昌武(幹事) 島根大学法文学部
歌川 学(幹事) 産業技術総合研究所エネルギー技術部門
近江貴治 日通総合研究所物流技術環境部
大島堅一 立命館大学国際関係学部
小杉昌幸(委員長) 産業技術総合研究所エネルギー技術部門
佐藤 輝 フェリス女学院大学国際交流学部
杉山利夫 ミツワ電気株式会社・顧問
田浦健朗 気候ネットワーク・事務局長
高木史人 千葉商科大学・非常勤講師
永野敏隆 三菱UFJリース株式会社環境事業部
西川栄一 元・神戸商船大学
向井征二 日本環境取引機構・代表
山岸尚之 WWFジャパン気候変動プログラムり一ダー
和田 武 元・立命館大字産業社会学部
日本は京都議定書で1990年を基準として6%削減を義務付けられているが、温室効果ガス排出量が2005年時点で7.8%(C02のみでは13.1%)増加している。国を挙げて対策を強化するに当たっては、全体像が把握できる的確な実態分析が必要になっている。
そのため、本委員会では、国の既存統計、審議会報告データを用い、新たな切り口で分析を行い、的確な実態把握に資することを目的として研究を行う。
本委員会の実態分析は以下の項目について行う。
(1)C02排出実態の分析
1)総量、国レベル部門別、直接・配分の統計
2)原単位、活動量
3)燃料構成分析
(2)業種別(業界報告)の分析
1)C02排出総量、エネルギー消費総量
2)活動量、原単位、省エネ法との比較
(3)対策コスト
1)投資回収年
2)対策導入の経済手段(ESCO、自主設備投資)
3)CDM(Clean Development Mechanism)との比較