この活動報告は2004年6月28日に開催された日本環境学会第30回通常総会で承認されたものです。
【日本環境学会2003年度活動報告】
【1】 2003年度活動報告(2003年6月29日~2004年6月26日)
(1)会員の移動
入会者数 35名 退会者数 40名 退会扱い 56名
会員数 621名
一般会員 590名
学生会員 20名
購読会員 10名
賛助会員 1名
(2)通常総会
2003年6月29日、新潟大学農学部で開催した。
(3)幹事会および常任幹事会
以下のように開催した。
年月日 会議 場所
2003年
6月29日 第1回幹事会 新潟県(新潟大学
6月29日 第1回常任幹事会 新潟県(新潟大学
8月 5日 第2回常任幹事会 東京都(エミール)
9月20日 第3回常任幹事会 東京都(エミール)
10月24日 第4回常任幹事会 東京都(エミール)
11月24日 第5回常任幹事会 東京都(エミール)
12月21日 第2回幹事会 東京都(エミール)
12月21日 第6回常任幹事会 東京都(エミール)
2004年
1月31日 第7回常任幹事会 東京都(エミール)
2月21日 第8回常任幹事会 東京都(エミール)
3月21日 第9回常任幹事会 東京都(エミール)
4月24日 第10回常任幹事会 東京都(エミール)
5月22日 第11回常任幹事会 東京都(エミール)
6月26日 第3回幹事会 愛知県(中部大学)
(4)研究発表会
第29回研究発表会を2003年6月28日~29日に新潟大学で開催した。
(5)現地調査研究会およびシンポジウム
札幌市において現地調査研究会を開催した。
連続ミニセミナーを開催した。
(6)会誌等の発行
日本環境学会誌『人間と環境』第28巻3号、第29巻1,2号を刊行した。
(7)ニュースレターの発行
No.15(2003年10月19日)を発行した。
No.16(2004年5月31日)を発行した。
(8)情報化への取り組み
ホームページの更新、メーリングリストの整理
(9)国内外の環境問題への取り組み
1)東京都日の出町広域処分場周辺環境調査委員会
日の出の第二処分場のエコセメント工場建設計画を解析し、きわめて高コストが必要であることを明らかにした。また、処分場周辺の環境調査や他の地域の処分場問題に取り組んだ。
2)和歌山県梅枯れ問題
ウメ枯れの現状は「人間と環境」第29巻第3号に報告した。要約すると、関西電力御坊火力発電所の稼働率の増減に大きな相関をもって、ウメ枯れが発生している。また、稼働率が低下したこの5.6年ではウメ枯れの進行は止まっている。だからといって、明確な原因が突き止められるまでには至っていない。現地では、農家組織において、同じバラ科の山桜(栽培管理の条件から切り離せる)を使って、御坊火力の排煙とウメ枯れの因果関係を調べる動きもある。
3)食品中カドミウムの基準値に関する問題
委員会を3回開催し、冊子「コーデックス食品添加物・汚染物質部会による食品中カドミウム濃度の最大基準値(案)に対する日本政府による修正案の問題点」を作成し、省庁、報道関係等20団体に送付した。また、「人間と環境」30巻2号に掲載した。
4)土壌汚染対策法制定に関する問題
土壌・地下水汚染問題検討専門委員会の活動報告
2003年4月に会員9名で発足し、土壌汚染対策法に対する検討を分担して開始した。2004年3月に報告書原稿を持ち寄り、目次構成等の検討会を行った。報告書を印刷・発行する予定である。また、6月27日午後の学会シンポジウムでは、「土壌汚染対策法と土壌・地下水汚染」をテーマとした報告を委員会メンバーを中心に行う。
5)茨城県神栖町ヒ素汚染に関する小委員会
問題発生の直後の03年4月2日に予察を行い、「人間と環境」29巻2号誌上に報告したのを始め、3回にわたって現地での情報収集を行った。また、環境庁作成のレポート等について検討を行い、問題点を指摘した。2004年度も体制を整備しつつ調査研究を進める予定である。
6)協賛
(社)可視化情報学会「全国講演会」2004.9.27-28
7)共催
日本科学者会議公害環境問題研究委員会ミニシンポジウム「廃棄物とリサイクル問題」2004.2.7
8)後援
世界アスベスト東京会議組織委員会「世界アスベスト東京会議」2004.11.19
(10)部会報告
〇編集部
「人間と環境」29巻3号、30巻1号,2号を刊行した。この学会誌は日本環境学会の「顔」である。環境問題を解析し,とりわけ持続可能な社会の構築へ向けた様々な取組み,提案などを行うために多くの会員の投稿が期待される。
〇共同研究部
(1)日の出町廃棄物処分場問題は第二処分場問題の環境調査が引き続き住民によって実施されているので、日出町処分場問題専門委員会を引き続き維持し、適宜日の出問題を中心に廃棄物問題を検討することとした。
(2)梅枯れ問題は、現状に関する総括的な報告が「人間と環境」第29巻3号に掲載された。
(3)大気公害東京裁判に関連して、担当部員より「都市大気の面的汚染実態に関するデータ解析プロジェクトチーム活動(案)が提案されているので、幹事会、総会で提起し、幹事ならびに会員各位にご協力を要請したい。
(4)東京湾海洋環境研究委員会に渡邊泉会員を派遣した。同研究委員会では、東京湾の環境修復についての意見をまとめている。
〇企画部
1)現地調査研究会の開催
2003年10月18~19日、札幌市において、札幌市環境プラザとの共催で「都市型エコツーリズムのあり方をめぐって」をテーマに開催した。
2)連続ミニセミナーの開催
2003年7月19日、連続セミナーを早稲田大学において「岡山県吉永町の産廃処理場整備計画中止をめぐって」をテーマに開催した。報告は岡本富美子氏(吉永町産廃阻止町民の会)、コーディネーターは礒野弥生氏(東京経済大学)
3)30周年記念事業の準備
日本環境学会の設立団体の長30周年記念事業(テーマ:「日本環境学会の設立背景と設立団体の目的
および活動を振り返って」)を企画部で担当することとなった。
〇情宣部
1)ホームページの管理
HPの運用、管理によって、会員に対する学会運営の情報公開が可能となった。また、学会の概要やイベント情報を知らせる事が出来るようになり、HPをきっかけとした学会加入者が増加している。今後、HPの充実は、学会活動そのものの充実と平行して進めていく必要である。
2)ニュースレター
機関誌「人間と環境」発行の間隙で、確実に会員に届ける必要のある情報の提供を図っていく。これまで、年会のお知らせや現地研究会の案内などを中心に非定期に発行している。今後も必要に応じて発行していく。
3)メーリングリストの有効活用
メーリングリストは会員相互の即時的な情報交換の場として有用である。特に、環境学会は対象が広汎な横断的性格を持つ学会であり、他学会にも属している会員が多いことから、環境を巡る諸問題の意見交換はもちろん、他学会やNGO等のイベント情報などを発信しあう場としても活用したい。
〇国際部
国際部では、環境問題に関する国際的動向について情報提供を行っている。今期は、地球環境問題に関する国際的な動向、それに対応する国内政策動向、とりわけ地球温暖化政策に対する政策点検・見直し、京都議定書の次期拘束期間に関する検討等について、常任幹事会等で報告を行った。
(11)支部報告
(1)近畿支部
近畿支部は、1994年の結成以後、2年を一期として、現在6期である。
2003年11月22日に第6回近畿支部総会を大阪市立大学医学部で開催し、第5期活動・会計報告と第6期活動計画・予算案の審議、第6期支部役員選出を行った。第6期支部長に畑明郎(大阪市立大学)、支部運営委員に12名を選出した。
また総会に先立ち、第5回シンポジウムを開催した.テーマは「米のカドミウム汚染問題を間上げる」で、講師は畑明郎、コメンテータは泉邦彦(第5期支部長)であり、24名の会員や市民が参加し、内容は米業界紙『商経アドバイス』にも報道された。