この活動報告は2003年6月28日に開催された日本環境学会第29回通常総会で承認されたものです。
【日本環境学会2002年度活動報告】
【1】 2002年度活動報告(2002年6月30日~2003年6月28日)
(1)会員の移動
入会者数 58名 退会者数 49名
会員数 683名
一般会員 633名
学生会員 43名
団体会員 6名
賛助会員 1名
(2)通常総会
2002年6月30日、大阪市立大学で開催した。
(3)幹事会および常任幹事会
以下のように開催した。
年月日 会議 場所
2002年
6月30日 臨時常任委員会 大阪府(大阪市立大学)
8月10日 第1回常任幹事会 東京都(エミール)
9月14日 第2回常任幹事会 東京都(エミール)
10月19日 第3回常任幹事会 東京都(エミール)
12月 7日 第4回常任幹事会 東京都(エミール)
12月21日 第1回幹事会 東京都(エミール)
2003年
1月13日 第5回常任幹事会 東京都(エミール)
2月11日 第6回常任幹事会 東京都(エミール)
3月15日 第7回常任幹事会 東京都(エミール)
4月12日 第8回常任幹事会 東京都(エミール)
6月 1日 第9回常任幹事会 東京都(エミール)
6月28日 第2回幹事会 新潟県(新潟大学)
(4)研究発表会
第28回研究発表会を2002年6月29日~30日に大阪市立大学で開催した。
(5)現地調査研究会およびシンポジウム
海外現地調査見学会を計画したが,事情により中止した。
連続ミニセミナーを開催した。
(6)会誌等の発行
日本環境学会誌『人間と環境』第28巻3号、第29巻1,2号を刊行した。
(7)学会ニュースレターの発行
No.14(2003年4月19日)を発行した。
(8)情報化への取り組み
ホームページの更新、メーリングリストの整理、会員情報の整理
(9)国内外の環境問題への取り組み
(1)東京都日の出町広域処分場周辺環境調査委員会
東京都日の出ごみ処分場周辺の環境汚染問題は解決していない。それどころか、第二処分場の汚水漏れなど新たな問題が発生している。本調査委員会は日の出処分組合の報告書などの解析を通じて,汚染問題を継続的に調査・検討してきた。2003年度もこのような調査・検討を継続して行うとともに、住民と協働でこの処分場周辺の水質調査などを行う。
(2)和歌山県梅枯れ問題
2003/5/14と15日に梅枯れ地域の調査をした。南部町東岩代,田辺市秋津川の梅畑を調査した。梅枯れはおさまりつつあるとの梅農家の判断がある。
この判断は,統計資料と農家の梅ノ木の活性どの目視による。なぜ梅が枯れるかについて,科学的な原因究明は難しいと感じた。環境学会が,原因究明に力になることは出来ないだろう。つまり、お金がない。資料が提供されない。集中できる人も確保できないためである。この地域に持続可能な社会の「縮図」を見るように思う。原因究明より、持続可能な社会との関連で広く考えるほうが、環境学会の特性が生かせそうである。
(3)食品中カドミウムの基準値に関する問題
第1回常任幹事会において「食品中カドミウム基準値検討専門委員会」の設置を決定した。6階の委員会を開催し,検討した結果を報告書として刊行した。報告書は日本環境学会幹事の他、関係団体、関係省庁、新聞社等に郵送した。
(4)土壌汚染対策法制定に関する問題
「土壌・地下水汚染問題検討専門委員会」本年、4月に会員9名で発足した。5月から「土壌汚染対策法に対する検討」を開始し。6月末の新潟学会時に第一次検討会を開く。検討報告書を12月末までに刊行し、来年の名古屋学会シンポジウムでその成果を発表する予定である。下記に委員名を記す。
(畑明郎、岩本智之、坂巻幸雄、谷山鐵郎、田結庄良昭、中村寿子、石川孝織、牛嶋仁、吉田充夫)
(5)協賛・共催
日本学術会議太平洋学術研究連絡委員会
「地域学の現状と課題」(2002.11.9)
日本学術会議自然保護研究連絡委員会
「有害金属による環境汚染と人体被害」(2002.11.30)
第4回東京湾海洋環境シンポジウム同上実行委員会
「第4回東京湾海洋環境シンポジウム〔東京湾の環境回復の目標と課題〕」
日本科学者会議公害環境問題研究委員会
「温暖化税制改革は可能か?-エネルギー税制のグリーン化と短総勢の導入に向けて-」
(6)後援
ヨハネスブルグ・サミット提言フォーラム
「ワークショップ ヨハネスブルグ・サミット」(2002.8.30)
環境経済・政策学会、ヨハネスブルグ・サミット提言フォーラム
「ヨハネスブルグ・サミット報告会」(2002.9.29)
足尾の環境と歴史を考える会
「足尾地域セミナー」(2002.12.15)
(7)日本学術会議会員候補の選出
常任幹事会で会員候補として、瀬戸常任幹事(副会長)を推薦し、幹事による信任投票を行った。投票率70%、満票で信任された。候補者。推薦人および推薦人予備者を日本学術会議会員推薦管理会へ推薦した。
(10)部会報告
〇編集部
2002年度は28巻3号、29巻1号及び2号を刊行した。社会科学からの投稿を期待して、例えば原著の刷り上り頁数を8~16頁まで可とした。なお、重要なことは言行がシェイプアップされているなら頁数の上限は8~16頁の限りではない。また原著・研究ノート等はたとえば、持続可能な社会の構築に向けた価値ある提案が含まれているならば受理する方針である。「人間と環境」の充実のために会員書誌の積極的な投稿が望まれる。
〇共同研究部
12月21日に開催された共同研究部会で、日の出町広域処分場問題および梅枯れ問題の取り組み状況が報告され、そのうち梅枯れ調査の報告は「人間と環境」vol.29No.2に掲載される予定である。また東京大気公害裁判について学会として取り組むべきか否か、シンポジウムの開催を含めて今後検討することとした。
〇企画部
1)ワークショップ「エコツーリズム」の開催
2002年度の環境事業団の地球環境基金の助成(特別枠)の助成を受けて、ヨハネスブルグに2名(磯野弥生氏、岡本葉子氏)が参加し、2003年8月30日にヨハネスブルグ・サミット(WSSD)のナズレック会場において、ヨハネスブルグ・サミット提言フォーラムとの共催で「エコツーリズム」に関するワークショップを開催した。
2)「エコツーリズム」勉強会
ヨハネスブルグ・サミット提言フォーラムと共同で、「エコツーリズム」に関する勉強会を8回開催した。
3)足尾地域セミナーの後援
2002年12月15日にヨハネスブルグ・サミット提言フォーラム主宰の「足尾地域セミナー」に参加した。(日本環境学会、環境再生政策研究会、栃木県、足尾町、環境省、外務省後援)。
4)連続ミニセミナーの開催
2003年5月10日、早田大学において「第1回連続ミニセミナー」瀬戸昌之「ごみ問題-ウソとホント-」を開催した。
5)その他
2002年度の現地調査会として中国雲南省を予定していたが、参加申込者が少なかったことなどの理由により中止(延期)した。
〇情宣部
1)ニュースレターの発行
ニュースレターNo.14を発行した。
2)ホームページの運営管理
〇国際部
「国連環境開発会議」(地球サミット)10周年にあたる2002年に「持続可能な開発に関する国連会議」が開かれた。利根川委員が環境NGOなどでつくる「ヨハネスブルグ・サミット提言フォーラム」に参加した。
(11)支部報告
(1)近畿支部
当学会近畿支部は、1994年の結成以後、2年を1期として、現在5期(泉邦彦支部長)(2001年11月~2003年秋総会)にある。
2002年6月29日と30日の両日、大阪市立大学。学術情報総合センター(大阪市住吉区杉本)において、日本環境学会第28回研究発表会(畑明郎実行委員長)を主催、発表報告71、参加名簿記入者250名弱であった。この研究発表会では、「土壌・地下水汚染を考える」「グローバリゼーションと環境・平和」の二つのシンポジウムを行った。その詳細な記録を、前者については「人間と環境」誌第28巻第3号(2002年)に、後者については同誌第29巻第1号(2003年)に掲載した。
日本環境学会近畿支部ニュース「環境・人間・文明」を第5期に入ってからは、2001年12月に第11号、2002年3月に第12号と同号特別版(上記学会研究発表会への参加を励ますための特別編集版)、2002年8月に第13号(同研究発表会の総括号)を発行した。
2003年に開いた支部運営委員会において、2003年6月、第29回研究発表会(新潟大学農学部)の際に行われるシンポジウムのうち、エネルギー問題をテーマにするものについて、企画し、実行委員会に答申した。
(2)東北支部
とくに活動なし。