日本環境学会2006年度の活動報告

この活動計画は2007年7月7日に開催された日本環境学会第33回通常総会で決定されたものです。


1.2006年度活動報告(2006年6月17日~2007年7月6日)

(1) 会員の移動(2007年6月9日現在)
  入会者数:40名、退会者数:24名
  会員数:597名
    一般会員:502名
学生会員: 63名
購読会員: 31名
賛助会員: 1名

(2) 通常総会
2006年6月17日に島根大学で開催した。
  
(3) 幹事会および常任幹事会を以下のように開催した。
   2006年  9月30日  第1回常任幹事会  大阪市(ホテルアウイーナ大阪)      
     12月17日  第1回幹事会    大阪市(大阪市立大学文化交流センター)
  2007年 2月 3日  第2回常任幹事会  大阪市(ホテルアウイーナ大阪)
4月 7日  第3回常任幹事会  大阪市(ホテルアウイーナ大阪)
6月 9日  第4回常任幹事会  大阪市(ホテルアウイーナ大阪)
7月 7日  第2回幹事会    府中市(東京農工大学)

(4) 研究発表会
   第32回研究発表会を2006年6月17~18日に島根大学で開催した。

(5) シンポジウムおよび現地見学会
   「築地市場の豊洲移転問題を考える」シンポジウムを2007年2月11日に、現地見学会を2月12日に日本科学者会議公害環境問題研究委員会の共催により開催した。

(6) 会誌等の発行
   日本環境学会会誌『人間と環境』32巻 3号、33巻 1号、2号を刊行した。
  
(7) ニュースレターの発行
   2007年1月№21(第33回研究発表会および役員選挙予定)、4月№22(役員選挙結果)、
6月№23(第33回研究発表会特集号)を発行した。

(8) 国内外への環境問題への取り組み  
   1. ワーキンググループおよびプロジェクト
     東京都日の出町広域処分場周辺環境調査委員会
     東京湾海洋環境研究委員会
     首都圏大気汚染解析プロジェクト    
     廃棄物問題WG
    土壌汚染WG
   2. 後援
     酸性雨調査研究会市民セミナー 「大気汚染が地球温暖化と健康に与える影響―市民セミナー第3弾」2007年5 月26 日

(9) 部会報告
○ 庶務部
   部長:髙島 邦子、部員:石川 孝織
① シニア会員制度の新設を検討して総会に提起する。
   ・定年を期に退会する個人会員の減少を防ぐために、一定の条件を満たし、かつ希望する会員に学生と同額の会費に割引して会員として留まってもらう。
   ・条件=在籍年数10年以上、年齢60歳以上、退職して常勤職を失った場合       

② 学生会員の取り扱いについて検討する。
   ・会費を1~2年程度納入して、その後支払いがなく、卒業後に郵便物が転居先不明で返ってきて、自然退会になるケースが多い。
   ・会則の会費についての確認事項に「会費納入時に、指導教官等によるサイン等の証明を必要とする」はほとんど実行されていないが、そのまま残しておく。    
   ・学生会員のみのメーリングニュースを作り、毎年12月頃に卒業年度および継続の意思確認を行い、卒業後は個人会員に移行してもらう。
   ・インターネットおよび会誌綴じ込みの入会申込書を勤務先(学生は通学先)に変更して、大学名を明記してもらう。

  ③ 新規会員勧誘を図る。
   ・2007年2月11日の築地シンポで当会PR文書を配布し、新入会者を得た。

 ○ 編集部
  『人間と環境』32巻 3号、33巻 1号、2号を刊行した。 

 ○ 共同研究部
   部長:森家章雄、部員:伊瀬洋昭、大見興一、権上かおる、坂巻幸雄、瀬戸昌之、友野哲彦、長屋祐一、畑明郎、本間慎、渡邉泉

   2006年6月18日、島根大学松江キャンパスにて、2006年12月16日、大阪市立大学文化交流センターにて、共同研究部会を併せて2回開催した。(次回は2007年7月7日)
前年度まで取り組まれていたプロジェクトあるいはワーキンググループ(WG)[東京都日の出町広域処分場、東京湾海洋環境研究委員会、首都圏大気汚染解析、廃棄物問題WG]に加え、新たに東京都築地市場移転問題等を検討する「土壌汚染WG」を設けた。和歌山県梅枯れ問題WGについては、活動を一旦休止した。

 ①東京都日の出町広域処分場周辺環境調査委員会[報告:瀬戸昌之]
   日の出町ごみ処分場の差止め訴訟に対する東京地裁の判決(’06,9,13 敗訴、住民側は控訴の準備を始めている)の一部を紹介する。裁判所の基本認識は「何人も・・・権利・自由を有する。他人の行動が生命・健康に影響があるとしても、それだけで他人の行動を差し止めることはできないのは当然である」という。(処分場が住民の健康などに影響があるとしても処分場を作ってよいと地裁は言っているのである)
   トラスト地の収用費として徴収した1600万円弱のうち1000万円強はトラスト地権者へ返せと東京地裁は判決した(’06,4,28)。(ようやくトラスト地権者の正当性を地裁は一部認めたのである。まだ、500万円弱を不当に徴収したままであるが)処分場汚染のデータのかわりに2億円を住民側に振りこんだ処分場は、2億円を取り返したうえに、年率5%の利子1000万円も払えと強要している。(これが法治国家か)

 ②東京湾海洋環境研究委員会[報告:渡邉 泉]
   当学会を含む17の学会連合として、東京湾委員会は2006年10月27日にシンポジウム「東京湾:人と自然の関わりの再生-提言と政策」を開催、約200名が出席した。その中で渡邉は講演「化学物質による汚染」を担当し、いくつかの残留性化学物質のケースを挙げて、化学物質汚染の問題も考慮した東京湾再生(水質及び生態系)の提言を行った。
   2007年はこのシンポジウムの内容をうけた本の出版を予定している。
   東京湾委員会は、NGO・NPOの参加を遠慮いただいている一方、最後のほうでは行政寄りのシンポジウムになってしまっており、行政関係者の参加を問題視する声が出ている。

 ③首都圏大気汚染解析プロジェクト[報告:権上かおる]
   首都圏の大気汚染について、本学会と酸性雨調査研究会の双方にプロジェクトチームを  つくり、適宜打ち合わせつつ以下の取り組みを行った。
   2005年4月24日に開催した「ディーゼル排ガスと健康」シンポジウムの成果をもとに岩波ブックレット「安全な空気を取り戻すために?目に見えない排ガス汚染の恐ろしさ」(菱田一雄、嵯峨井勝著)が2006年6月に出版された。同年10月21日に出版記念会が開催された。
2007年5月26日に市民セミナー第3弾「大気汚染が地球温暖化と健康に与える影響」(当日の模様はhttp://www.k5.dion.ne.jp/~jarn/jarnPDF/0706.pdfで閲覧できる)を全国地球温暖化防止活動推進センターにて開催した。

 ④廃棄物問題WG[報告:畑 明郎]
   石原産業のフェロシルト投棄事件、日本最大の大矢知産廃不法投棄事件などの三重県四日市市の廃棄物問題や岐阜市椿洞の産廃不法投棄事件などに取り組んだ。
   2006年11月11日に四日市市でシンポジウム「産業廃棄物問題を考える?東海地域の事例を中心に?」(翌日に現地見学会)を企画部と協力して開催し、問題解決の政策提言を行った。2007年6月刊行の『人間と環境』33巻2号に、シンポジウムの報告が掲載された。

 ⑤土壌汚染WG[報告:畑 明郎]
   2006年12月より本学会として新たに、東京築地市場の東京ガス豊洲工場跡地移転問題等に取り組む「土壌汚染WG」(坂巻幸雄、畑明郎、佐藤克春、松井英介)を組織し、共同研究部員としての代表は坂巻と畑が務めることになった。
   2007年2月11~12日に「築地市場の豊洲移転を考えるシンポジウム・現地見学会」を日本科学者会議・公害環境問題研究委員会と協力して開催し、「築地市場の豊洲移転に反対し、現位置での再整備を要求します」という声明を発表し、マスコミを通じて移転反対世論の形成に寄与した。

○ 企画部
   部長:高山 進、部員:近藤 真、南 有哲、関 耕平、塩飽 敏史

① ミニシンポジウム、現地見学会を開催する。
日本科学者会議東海地方区と共催
日時:2006年11月11日(土)、13時~17時
場所:四日市市民交流会館(本町プラザ)2F 第一会議室
内容:1)四日市市大矢知地区の事例 松永隆雄氏(大矢知住民)
    2)岐阜市椿洞の事例 松井英介氏
    3)フェロシルト問題 萩原量吉氏(団体職員)
   4)岩手県の経験 岩手県担当職員
   5)大矢知地域の環境調査の問題点 粟屋かよ子氏(四日市大学教授)
   6)産廃不法投棄をめぐる法的諸問題 村田正人氏(日本環境法律家連盟代表理事、ゴミ弁連幹事)
   7)問題解決に向けて 畑 明郎氏(大阪市立大学教授、日本環境学会会長)
本シンポジウムにおいては四日市や岐阜といった東海地域の事例や取り組みのみならず、「東北ゴミ戦争」の最前線において苦闘を続ける岩手県の経験にも学びながら、産廃をめぐる構造的な問題点を明らかにした。参加者は約70名、活発な質疑応答が行われ、成功裡に終了した。
現地見学会:11月日12日(集合9時)午後解散
大矢知の不法投棄現場、垂坂のフェロシルト投棄現場、三田処分場を見学。参加者は約20名であった。

② 企画部会開催
日時:2007年5月4日
場所:岡山県倉敷市水島
13時~15時=企画部会(その1)水島地域の廃棄物処理事業、みずしま財団関係の報告
15時~16時30分=車で水島地域を見学
16時30分~18時=企画部会(その2)企画部打合わせ、来年度企画の検討
 
○ 情宣部
部長:中村 寿子、部員:原田 泰(ML・HP管理者)、近藤 学、松本 滋、小川和雄、大見興一
① ITコミュニケーションツールの積極的活用
・ホームページへの、幹事会、常任幹事会、当会共催行事、後援行事等の掲載を定例化した。
・2006年10月4日よりホームページからの入会申し込みを開始した。2006年10月から2007年5月16日までに27名が利用した。
・第33回研究発表会からホームページより発表申し込みをできるようにした。2007年4月25日から10名が利用した。
・MLのネチケットを改定、活用促進を図るためニュースレター等で参加の呼びかけを行った。また、入会申込みにML登録の意思確認を実施している。

② ニュースレターの発行
第21号、第22号、第23号を発行した。

○ 国際部
部長:和田 幸子、部員:歌川学、和田武
   2006年6月、島根大学に於いて部員が意見を交換し、環境問題を巡る世界的な動きを的確に捉え、学会誌等に適時掲載する事を申し合わせた。しかしこの方針は、一部着手しつつあるとはいえ、取り組まなければならない問題が膨大な質・量であるにも関わらず、部員数が少なすぎるため、十分に取り組むことができなかった。
また、国際シンポジウムも実行できなかったため、2007年度開催を目指している。


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